平成16年(2004年)8月下旬。前日の悪沢岳から続く連続山行の2日目、南アルプスの盟主である赤石岳の記録です。西牧ご夫妻にとって、百名山完登まであとわずかとなる「98座目」の記念すべき山行となりました。
荒川小屋を出発して小赤石岳へ向かう道中は、快晴ながらも前日からの強風が吹き荒れる厳しい状況が続きました。しかし、大聖寺平付近まで来るとすっかりその風にも「慣れてしまいあまり気にしなくなった」という頼もしい適応力を発揮されています。
とはいえ、早朝5時に千枚小屋を出発し、強風と低温に晒されながら赤石岳山頂まで9時間、さらに赤石小屋へ到着したのは17時という、実に12時間にも及ぶ過酷な歩き通し。大いに疲労を覚える中で、前日にも西牧ご夫妻を和ませた「ツキホシホイホイホイ」「ショウチュウイッパイグイー」という小鳥の鳴き声(聞きなし)の冗談が再び大きな慰めとなりました。特にツアー仲間の鈴木勝氏が披露すると「格別の味がある」と記されており、苦楽を共にする仲間とのユーモア溢れる掛け合いが目に浮かびます。
そして見事98座目の登頂を果たすと、ツアーのメンバー全員から温かい祝福を受けました。99座目は剣岳、100座目は朝日岳といった今後の展望で大いに盛り上がり、「100座達成に付き合う」とまで言ってくれる山の仲間たちの存在は、何よりも心強かったことでしょう。山頂からは、先ほど越えてきた悪沢岳や、以前登った聖岳の雄大な姿も確認できました。
翌日の下山は疲労を感じさせない快調なペースで、5時間の予定をわずか3時間で踏破。椹島で生ビールの乾杯を楽しみ、白樺荘では無料の温泉(ダム建設時の余り湯)で汗を流して絶品の「鹿肉の定食」を味わうなど、苦労の後の至福の時間を存分に満喫された充実の遠征録です。
84 赤石岳 (3120m) 静岡・長野
赤石山脈(=南アルプス)の盟主。山名は、南側の赤石沢に多い紅色のラジオラリア板岩に由来する。東面に2つのカールをもつ。山頂部は広く、中部山岳の名だたる高峰が展望できる。椹島から6時間40分。
登山適期:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫(※7〜8が選択)
■ 山行データ
- 日時: 2004 H16年 8月 19日(木) 〜 8月 20日(金) 晴(強風) (悪沢岳と同時)
- メンバー: ツアー (くらぶ歩きんぐ) 12名(男9, 女3) (リーダ 桜庭氏)
- コース:
8/19: 荒川小屋(11:00〜11:30(昼食)) … 大聖寺平(12:20) … 小赤石岳(13:25) … 赤石岳(14:10〜14:40) … 分岐(14:40) … 富士見平(16:00) … 赤石小屋(泊)(17:00)
8/20: 赤石小屋(6:00) … 椹島(9:00) … 畑薙第一ダム(11:30〜12:30) == 白樺荘(入浴) ー 静岡I/C == 日立(22:30)
■ 山行日記
- 荒川小屋を発って小赤石岳への登りは快晴となってがやはり強風の中であり、しかし大聖寺平付近では風に慣れてしまいあまり気にしなくなった。
- 今朝5:00千枚小屋を発って赤石岳頂上まで9時間、それも強風低温の中とあって大分疲労を覚えた。更に赤石小屋着が17:00だったから今日は12時間の歩きであった。ここでも「ツキホシホイホイホイ、ショウチュウイッパイグイー」が大きな慰めとなった。特に鈴木勝氏がこれをやると格別の味がある。
- 98座目の赤石岳ではメンバーの皆さんが祝ってくれた。99座目は剣岳、100座目は朝日岳となる等話題となり、皆さんが100座達成に付き合うといってくれている。先程登って来た悪沢岳、先日登った聖岳が大きく見えた。
- 8/20 下山は快調にいって、5時間の予定を3時間で下った。椹島でバスを待つ余裕が出来て生ビールの乾杯が続いた。
- 白樺荘で鹿肉の定食を食べた。なかなかの美味であった。ここの温泉は無料で人気がある。元ダム建設の時の余り湯を利用とのこと。
- 東名、首都高が渋滞して日立着は22:30となった。
登頂 98 座目
(※欄外メモ1:H16/8 106,775 (悪沢岳を含む))
(※欄外メモ2:アルバムNo 206, 207)
