平成14年(2002年)7月。槍ヶ岳から始まった裏銀座縦走の記録もいよいよ佳境となる、登頂70座目の黒岳(水晶岳)から下山までの記録です。
前回の記録で水晶小屋に「荷物を預けて」向かった水晶岳の往復。濃いガスの中で展望は得られなかったものの、沢山の花々に大いに慰められたようです。しかし、その近くで連れの鈴木氏と小用を足して小屋の主人に叱られてしまうというお茶目な失敗談も正直に書き残されており、お義父様の飾らないお人柄に思わず笑みがこぼれます。専門用語を使わず「荷物を預けて」と自然な言葉で記録されている点も、お義父様らしくて素晴らしいですね。
また、野口五郎岳への道中ではコマクサの群生に迷い込んで慌てたり、烏帽子小屋では珍しい白色のコマクサに出会ったりと、高山植物に彩られた道中の様子が鮮明に浮かびます。最後は北アルプス三大急登の一つ「ブナ立尾根」のキツさに音を上げつつ、「あとの二つはどこだ?」と疑問を投げるユーモラスな締めくくり。過酷な縦走の中にも笑いと発見が絶えない、大変味わい深い手記です。
(※ちなみに、北アルプス三大急登の残りの二つは、燕岳の「合戦尾根」と、剱岳の「早月尾根」と言われています!)
52 黒岳 (2986m) 富山
山名は、黒っぽい岩におおわれていることに由来。水晶片があることから別名水晶岳とも呼ばれる。奥深い位置にあり、どの登山口から登っても通常2泊3日の日程を要する。新穂高から鷲羽岳をへて13時間50分。
登山適期:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫(※7〜9が選択)
■ 山行データ
- 日時: 2002 H14年 7月 20日(土) 〜 7月 21日(日) (7/20 ガス, 7/21 晴) (槍ヶ岳〜裏銀座縦走)
- メンバー: ツアー (くらぶ歩きんぐ) 6人 (リーダー 桜庭氏)
- コース:
7/20: 水晶小屋 … 水晶岳(9:15) … 水晶小屋 … 野口五郎岳(13:25) … 野口五郎小屋(泊)(13:35)
7/21: 野口五郎小屋(4:45) … 三ツ岳(6:30) … 烏帽子小屋(9:15) … ブナ立尾根(10:25) … 高瀬ダム(12:40) … 高瀬館(葛温泉)
■ 山行日記
- 水晶小屋もガスの中であった。ここに荷物を預けて、水晶岳(黒岳)を往復した。水晶岳山頂も濃いガスの中で、まったく展望は無かった。が途中のお花畑には、沢山の花があり大いに慰められた。(この近くで鈴木氏と小用をしていたら小屋の主人にしかられた)
- 野口五郎岳への途中(真砂岳付近か)にコマクサの群生があり、そこへ迷い込んで慌てる一幕もあった。(ガスでコースを若干誤っていた)
- 野口五郎岳の頂上あたりからガスが晴れて来た。小屋に13:35に着いた。16:00頃、ガスは晴れて、東方面(唐沢岳、餓鬼岳)が見えた。明日は期待出来そうである。
- 野口五郎岳を早朝出発したときは、またガスの中かと思ったが、三ツ岳を巻く頃にはガスは晴れて、足元のコマクサの群生がきれいで満足した。烏帽子小屋に白色のコマクサが咲いていた。(めずらしいという)
- 北アルプス三大急登といわれるブナ立尾根を下った。さすがにキツイねだった。(あとの二つはどこだ?)
登頂 70 座目
(※欄外メモ1:(薬師岳も含む))
(※欄外メモ2:アルバムNo 140, 141)
