【第79章】黒部五郎岳:計画変更で雲ノ平へ!カールの絶景と至福のビール

平成15年(2003年)8月下旬。薬師岳からの連続山行となる、黒部五郎岳の記録です。

快晴の天候が続くことを受け、ツアーリーダーから「どうしても雲ノ平を見せたい」と、当初の新穂高温泉へ下山するルートから雲ノ平を経て折立へ下るコースへの計画変更が告げられます。ツアー客に最高の景色を見せようとするリーダーの熱い思いが伝わる幕開けです。

太郎平小屋から黒部五郎岳への登りは小雨模様で、肩付近に荷物を置いて登った山頂もガスに包まれ展望はありませんでした。しかし、肩からカールへと下る途中でガスが晴れ、巨大な圏谷(カール)の全貌が出現。日本百名山の著者・深田久弥が「三方を高い壁に囲まれていかにも圏谷といった感じ」と記したその姿を、山から離れて振り返ることで深く納得されています。

翌日は見事な晴天。三俣蓮華岳からは、前年(平成14年)の裏銀座縦走時にガスで全く見えなかった鷲羽岳や水晶岳の美しい姿を目の当たりにし、深い感動を味わいます。リーダーがどうしても見せたかった「雲ノ平」の素晴らしさも十分に堪能したようです。

薬師沢小屋への下りは濡れたゴロ石の連続で神経をすり減らしましたが、無事に到着。6度も傾いているという古い小屋の沢で体を拭き、ビールで乾杯した瞬間は「最高の至福の時」と綴られており、過酷な縦走の後のこの上ない喜びがひしひしと伝わってくる素晴らしい記録です。

51 黒部五郎岳 (2840m) 富山・岐阜
黒部源流の山のひとつ。山名の五郎は、岩のゴロゴロしたという意味のゴーロに由来。頂上下方には羊に似た岩が散在し、庭園風の景観を見せる。奥深い位置にあり、どのコースも長い。折立から10時間30分。
登山適期:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫(※7〜9が選択)

■ 山行データ

  • 日時: 2003 H15年 8月 21日(木) 〜 8月 23日(土) 晴(頂上はガス) (薬師岳と同時)
  • メンバー: ツアー (くらぶ歩きんぐ)、(リーダー 桜庭氏)
  • コース:
    8/21: 太郎平小屋 … 黒部五郎岳 … カール … 黒部五郎小屋(泊)
    8/22: 黒部五郎小屋 … 三俣蓮華岳 … 三俣山荘 … 雲ノ平 … 薬師沢小屋(泊)
    8/23: 薬師沢小屋 … 太郎平小屋 … 折立 ー 北陸道 == 日立

■ 山行日記

  • 快晴の天候が続くとなったので、リーダは計画を変更した。当初双六岳経由新穂高温泉へ下山する計画を、雲ノ平をへて折立へのコースに変更されたのである。(どうしても雲ノ平を見せたいと云う)
  • 太郎平小屋から黒部五郎岳までは小雨模様で見通しの悪い登りだった。頂上直下の肩付近からガスとなりここに荷物を置いて頂上へ登った。
  • 頂上からの展望はまったく無かった。肩からカールへ下るコースの途中からガスも晴れて来てカールの全貌が見えて来た。「三方を高い壁に囲まれていかにも圏谷といった感じ」と深田先生もいっていたが、そのとおりだ。この山から離れてふり向くとそれが良く理解出来た。
  • 8/22は晴。三俣蓮華岳からの展望は最高のものだった。鷲羽岳、水晶岳が目の前にあった。昨年7月裏銀座縦走をしたときは、この二座とも登ったが、ガスの中でその全貌は見えなかったので感激した。雲ノ平も素晴らしかった。リーダが計画を変更してまで我々を案内したかったことが良くわかった。雲ノ平から薬師沢小屋への下りは、ゴロ石の連続で、それも濡れていて滑り易く事故が心配だった。小屋は古く6°も傾いていた。あの沢で体を拭いてビールで乾杯は最高の至福の時であった。

登頂 79 座目
(※欄外メモ1:(薬師岳も含む))
(※欄外メモ2:アルバムNo 159.)

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